安心安全な赤ちゃんのための
おもちゃの代名詞

2010年の発売以来10年以上に渡り、多くのお母さんに愛され続けているライスレジンを使用した大ヒット商品「お米のおもちゃ®︎」シリーズ。 そのロングセラーにまつわる開発エピソードやライスレジンとの出会い、今後の展 望などをピープル社の企画開発部課長の小板史美さんに語っていただきました。

赤ちゃんのために細部まで徹底的にこだわっている優しいフォルム

母と子の行動を見つめることからロングセラーは生まれる

広告代理店でクリエイティブディレクターを務めていた桐渕真一郎氏が、ピープル株式会社を創業し、玩具事業を開始したのが、今から約40年前の1982年のこと。ほどなくして、日本初の屋内用ジャングルジム「わんぱくジム」(1982年)や、1歳児の知的好奇心を満たす「いたずら1歳やりたい放題」(1985年)などを発表します。当時はテレビが全盛の時代、前職の経験を生かしてコマーシャルを活用し、製品は瞬く間に人気となりました。 もちろん、誰よりも厳しい目を持つ乳幼児のママたちからお墨付きをもらった製品の素晴らしさはいうまでもありません。ロングセラーの抱き人形「たんぽぽのぽぽちゃん」(1996年)の誕生のエピソードについて、企画開発部課長の小板史美さんが教えてくれました。

ピープル株式会社 企画開発部課長 小板史美さん

「一生懸命にぬいぐるみのお世話をしている孫の姿を見た創業者が、『自分が母親から受けた愛情を分け与えたくて、ぬいぐるみにお世話をしてあげているのではないか。それは母性の芽生えなのではないか』と仮説を立てたのが誕生のきっかけです。弊社の製品は、お母さんたちの話を聞き、お母さんとお子さんの行動を観察することから生まれるのです」

ライスレジンとの出会いから生まれた
「お米のおもちゃ」

1997年の京都議定書などを契機に、新製品の開発の際、環境への配慮は避けて通れない問題になりました。21世紀に入ると、通常のプラスチックと同じように使えて、使用後は微生物によって二酸化炭素と水になり、自然に還る「生分解性プラスチック」が注目を集めました。ピープルでも玩具の原料として検討されましたが、主成分であるとうもろこしが懸念されました。ちょうど、原産国が不明なもの、遺伝子組み換えのものなどが不安視されていた時期だったのです。結局、「土に還ることより、原料が明確で、安心、安全と胸を張れることが大切」という結論にいたりました。そして、しばらくして、「ライスレジン」と出会うのです。

原料となるライスレジン(着色前)

「ライスレジンの原料は、日本人なら誰もが馴染みのある日本のお米。使い続けてもらえる玩具をつくれば、そもそも土に還ることが最優先ではない」。そうした思いから、「お米のおもちゃ」の開発はスタートしました。 第一弾として、誰もが知っている普遍的な玩具である「積み木」をつくることにしました。積み木といえば、カラフルなものも多いですが、お米が原料であることを伝えるために、「白米色」を選びました。製作の過程ではさまざまな苦労があったそうです。「原料のうち、ライスレジンの比率を51%以上にすることにこだわりました。51%以上にすることで『米製品』と表記できるのですが、おもちゃと食べものの間というイメージを消費者に持っていただきたかったのです。でも、製造工程で、べたついて型が汚れたり、こげて色むらが出たりして大変 でした。信頼のおける日本の工場と試行錯誤を重ねて、『純国産 お米のつみき 白米色』が誕生したのですが、ほんのりとお米の匂いがするんです。原料も製造も純国産で、無塗装だから、赤ちゃんがなめても安心、安全。『他のおもちゃで遊んでいるときよりも、よだれがいっぱい出ます』などの声をいただくこともあります(笑)」(小板さん)

お米のおもちゃと一緒だと、どんな赤ちゃんも笑顔に

2010年の発表直後から評判となり、両親が子どもへ、祖父母が孫へ購入するほか、贈りものとしても喜ばれました。さらに、アジアからの観光客が買い求め、アメリカへは「mochi」の名前で輸出されました。現在では、「純国産 お米のどうぶつつみきいろどり」「純国産 お米のおもちゃこだわり4点セット」「純国産お米の歯がため」「純国産お米のなめかみ」「純国産お米のままごとセット」など、ラインナップが拡充しています。

現在発売中のお米のおもちゃシリーズ

安心・安全を届け社会に貢献する

昨年には、「どうやってお米がつくられるのか、耕作放棄地の現状はどのようになっているのかを知りたい。少しでも農家の方々の支援につながるのなら」という考えから、新潟県南魚沼市に自分たちの農場 「ピープル農場」を所有するにいたりました。そして、昨年末には、発売開始からシリーズ累計で100万個の売り上げを達成しました。

ピープル農場(新潟県南魚沼市)

さらに、とても嬉しい出来事がありました。「滋賀の小学生からお手紙をいただきました。自由学習で、『お米でできているものって、どんなもの?』について調べるなかで、『お米のつみき』を見つけてくれたらしく、もっと知りたいという内容でした。お手紙を返すのも良かったのですが、せっかくなので、Zoomでつないでお話しさせていただきました。ただ、製品を販売するだけでなく、社会貢献もできたら、と日頃から考えていますので、たいへん嬉しくあたたかな交流でした」(小板さん)

お米のおもちゃを語るとき、笑顔が絶えない小板さん

最後に、今後のことについてお聞きしました。「この春に、『純国産 お米のはじめての食育 おもちゃセット』 『純国産 お米のなめなめスプーン』といった新製品を出します。ギフトの需要も多いので、赤ちゃんだけでなく、選ぶ人の気持ちにも沿ったような製品をつくっていきたいです。そして何より、これからも変わることなく、安心、安全をとことん追求していきたいと考えています」(小板さん)

この春発売の新商品

※「お米のおもちゃ」「お米のつみき」はピープル株式会社の日本における商標登録です。

「お米のおもちゃ」最新情報はブランドページをご覧ください。